儒教における重罪

江戸では儒教が導入され幕臣には五経が必須でしたが、
『礼記』『春秋左氏伝』は刑罰について詳しく記しています。

これらを読むと刑罰を行うのに非常に慎重さを要求し、
上の者が徳を磨き民を感化していったり、
教育により犯罪を減らす事を重視していますが、
中には情状酌量の余地なく処刑にする内容が
記されている事が分かります。

凡作刑罰.輕無赦.刑者侀也﹒侀者成也﹒
一成而不可變﹒故君子盡心焉.

およそ刑罰を行なえば軽くとも赦さず。
刑は侀(かたち)、成すことなり。
一度成せば変えられぬ。
ゆえに君子は心を尽くす。

析言破律.亂名改作.執左道以亂政.殺.
作淫聲.異服.奇技.奇器.以疑眾.殺.
行偽而堅.言偽而辯.學非而博.順非而澤.以疑眾.殺.
假於鬼神.時日.卜筮.以疑眾.殺.
此四誅者.不以聽.

言葉巧み法律を破り、名を乱して作り替え、
邪術を行い政治を乱す者は死刑。
淫らな声、変わった服装、奇妙な技、
奇妙な器で民を迷わす者は死刑。
偽りで堅め、偽りを語り、偽の学に博識で、
不正で潤おい、民を惑わす者は、死刑。
鬼神の降臨、歴、卜筮をもって民を惑わす者は死刑。
この四つの誅に情状酌量はない。

現代では左道(呪術)により国家を乱す事は
法律で規制をする事は出来ませんが、
呪術に関わる陰陽寮が存在していた時代は
この周辺はリアリティーがあったのでしょう。

いわゆるデマを流す御用聞き学者も
処刑の対象となっていますが、
権力の乱用でレッテルを張ったり、
魔女狩りのような弾圧をする事には
かなりの慎重さが要求されているものの、
国家的な重罪として厳しい処遇をした様です。

古代ギリシャは無責任なデマゴーグが蔓延り
スパルタの侵略を許し無残な事になりましたが、
現代日本は情報を流す側も受けとる側も
甘くなっているところはあるのでしょう。

最後はいわゆるスピリチュアルなジャンルで
神がかりや占いなどで無責任な情報を流し、
民を惑わせる事の責任の重さを言及しています。

言葉一つで人を生かしも殺しもしますが、
情報を流す仕事についている人は
都合の良い事を言って責任を誤魔化すのではなく、
功罪両面から考える必要がありそうです。

現代的にはチャネリングなどがありますが、
神道でもサニワと言うメッセージの精査が
非常に重要なものとされているそうです。

騙す側と騙される側の心理がありますが、
現代日本では騙される側が悪いと
一方的に責任を踏み倒す人が多くても、
それが許されない厳しさがあったようです。

後で間違った事が分かっても誤魔化す等すれば
処刑の対象とされるほど重い責任が伴うレベルで
扱われていた理由を深く考えてみる事は、
これらのジャンルに関わっている方達に
必要になる時代になるかも知れません。

孔子は恥について聞かれると、
国に道の無い時に禄で富もうとするのを
恥としたと論語に残されていますが、
道の無い時代はどれだけ続くのでしょう。

政権が代わりアメリカ大統領選も近くに控え、
江戸から明治にかけて失われたものを
見直す流れが出てくる可能性は高そうです。
これまでの延長線上で考えるのではなく、
道理を誤魔化さない誠を重視した方が
良いのではないでしょうか。

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