ヨモツヘグイ

古事記ではイザナギが黄泉の国へと旅だったので、
イザナギが連れ戻しに行った時に言われたのが、
黄泉の国の食べ物を食べた(ヨモツヘグイ)ので
帰る事ができなくなったという言葉です。

ギリシャ神話では、デメテルの娘ペルセポネが
黄泉の国の食べ物を食べて帰れなくなりますが、
ここで食べたのはザクロとされています。

太平洋戦争時に食糧難に陥り、
人肉を食べる事態に陥ったケースも
実際に存在したようです。

人肉を食した時にザクロの味がしたそうですが、
ヨモツヘグイでこの世に帰れなくなるのは、
人を食べる事により人である事を辞める事も
暗示しているのかも知れません。

現代では食料危機は甘く考えられていますが、
歴史的に飢餓は何度も起こっており、
金があっても食べ物を買えない時代も
普通に存在しています。

農業に月が密接に関わっているように、
月には恵みをもたらす顔もあれば
恐ろしい顔も持ち合わせています。

月が満ち欠けを繰り返すように、
都合の良い時だけ続く訳ではなく、
道を外れた事をしていればツケは食らいます。

イザナミは火の神を生んで死にますが、
人類が火の力を得る事について言及している
プロメテウス神話が存在します。

人類のために天界の火を与えたプロメテウスは、
ゼウスに恐ろしい処遇を受ける事になります。

プロメテウスの恩に報いた生き方をするか
科学の力を過信して身勝手を行うかで
大地を生かすか殺すか変わるのでしょう。

大地を殺せばヨモツヘグイに繋がり
人でなくなるのかも知れません。

食料危機のリスクの高まる現在、
見直しておくべき事ではないでしょうか。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする