学術と芸術

神々の世界を支配するユピテル(ゼウス)と
記憶の神ムネモシュネーの間に生まれた女神達は、
個別の領域を司るとされています。

カリオペ(叙事詩)、クリオ(歴史)、エウテルペ(器楽)、
タリア(喜劇)、メルポメネ(悲劇)、テルプシコレ(舞踏)、
エラト(恋愛詩)、ポリュヒュムニア(賛歌)、ウラニア(天文)と、
学問と芸術は古代ギリシャにおいて一体であった事が分かります。

古代ギリシャでは叙事詩や歴史は旋律に乗せ朗唱する
文学的・芸術的なものでもあったので、
現代の無味乾燥した暗記ものとは違っていました。

天文(占星術)はピタゴラスに見られるように
宇宙の奏でる天球の音楽を聞くものとされており、
理屈や暗記に偏った現代の学問とは違い、
理論と感性を両立させたものであったようです。

ミュージックやミュージアムの語源となった
九柱の女神ミューズの影響は、
古代ギリシャの優れた文化活動を語る上で
避けては通る事は出来ません。

知識量の多さで優越感を得る学術とは違い、
芸術家が作品を造る時に没我となるように、
学問・芸術ともに精神的な働きが功績に影響し、
この精神活動と女神とが関係付けられていました。

アレクサンドリアにはミューズを祀る
ムーセイオンが建てられていましたが、
大図書館もこのミューズの加護の下に
高度な学術活動を繰り広げてきました。

アレクサンドリアにおける優れた学術的功績に、
芸術的な感性を司る女神達の影響があったなら、
今後の教育も理性と感性を両立させた
古代の学術的姿勢が重要とならないでしょうか。

浜松は音楽で世界的に有名な都市ですが、
徐福がギリシャ神話を持ち込んだとすれば、
ミューズによる芸術活動も盛んだった事でしょう。

ミューズの加護は音楽のみに限定されないので、
音楽を足掛かりに他のジャンルとの関係を広げ、
総合的な芸術・文化都市となって欲しいものです。

昔の作文を読み返して痛々しくて悶絶したり、
自作ラブソングの弾き語りで引き笑いさせかねない私は、
タリアの加護はあるもののエトラの加護は皆無のようです。

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