私が歴史の研究をする時に活用しているのが
ステファン・トゥールミンの提唱した
トゥールミン・モデルです。
このモデルは苫米地さんが有名にしましたね。
私は学校でディベートの授業が無かったので、
関係した本を読みあさり経験者とも話をして
自分なりに消化しているのですが、
ディベートは松本茂氏の本がオススメです。
誰かの受け売りで理論を語るより、
トゥールミン本人の書いた本を読む方が
詳しく分かるのは間違いないですが、
高いのが難点でオススメしにくいです。
主張のみをぶつけ合っていても平行線なので、
主張・根拠・データ・度合い・裏付け・例外を
網羅的に検討するモデルが提唱されており、
自分の仮説を見直すのに非常に有益です。
自説の根拠やデータまで検討してみると
かなり度合いが弱くなる事は多く、
紙に書いて見直すとクリアになりますね。
以前は銅鐸と銅矛の出土地が重ならず、
銅鐸圏と銅矛圏に区分されていましたが、
後に重なって出土する地域が出てきて、
現在この定義は崩れています。
歴史学は100%は分かりようのない
推理の部分が非常に大きいので、
どのようなプロセスで検討されたのか
明確になっていると良いですね。
データをもとに主張をしていても
根拠や裏付けが非常に弱い状態で
100%か0%の両極端として扱い、
後で訂正が必要となりそうなケースは
詳細に検討すればかなりありそうです。
近年では聖徳太子が実在しなかったと
言われ始めているようですが、
根拠とされていた二冊の文献の記述が
国内外で違っている事は私も記事にしました。
既存の学説もデータと根拠を洗い直すと
突っ込みどころが多いものは多そうです。
目ぼしいものは思いつきましたか?
既存の学説をこのモデルで検討して
疑問から新たな説の提示をしても良し、
思いついた仮説をこのモデルで検討して
新たな説を提唱しても良いですね。
このブログを見た人の中から
歴史の研究の流れが出てくると、
個人で研究を進める必要がなくなります。
私は特に地元の共同史をメインにしており、
他の地域との関連性も研究してはいますが、
各々の地域の共同史の研究者が出る事で、
総合的に盛り上げて行く方が効率的です。
研究でネックになるのは関心の度合いと
本の読み方に精通しているかですね。
私の記事を読んで興味が湧いた人がいても
本を読むのが大変で断念するのは、
大きな機会損失になる可能性が高いです。
読む人は大量に読みあさり、
読まない人は殆ど読まないのが
読書の世界なのは古今東西共通です。
昔から読書法に言及がなされていますが、
読み方にも段階があるようなので、
一足飛びに高度な事をしようとしても
途中で挫折するのがオチなので、
読書法についても記事を書こうと思います。