鎌倉時代末期、外宮の神官・度会家行が
伊勢神道を唱え初めたとされており、
度会神道や外宮神道とも呼ばれます。
それまでの神道は本地垂迹説と言って
仏が神の姿をとって現れたとされており、
伊勢神道から神道の復権が行われ、
外宮の神を宇宙創世の神としました。
伊勢神道の根本経典とされる五つ経典は
神道五文書と呼ばれています。
『天照坐伊勢二所皇太神宮御鎮座次第記』(御鎮座次第記)
『伊勢二所皇太神御鎮座伝記』(御鎮座伝記)
『豊受皇太神御鎮座本記』(御鎮座本記)
『造伊勢二所太神宮宝基本記』(宝基本記)
『倭姫命世記』
この五つの中の最後の書は倭姫が伊勢の神宮を
現在の地に遷すために元伊勢を転々とし、
伊勢の根拠とされる書となっています。
私の研究ではこれは嘘なのが分かっていますが、
江戸時代に尾張の東照宮神官の吉見幸和氏も
神道部書を偽書として批判をしましたようです。
時代背景を考えると全て本当の事を言えば
命がない世相であったのであれば、
偽書の一言で片付ける事は難しいですね。
どの様な背景や目的でその文書を書いたのかも
研究対象として良いのではないかと思います。
元寇により日本が神国であると再認識し、
日本の唯一絶対の宗教を神道とする勢力により
絶大な指示を受けたとされていますが、
元寇で活躍した神風は伊勢の代名詞で、
出雲神である伊勢津彦も風神とされています。
神武天皇に負けた伊勢津彦の名から
伊勢の地名がきたとされるので、
元寇から日本を救ったのは、
出雲神であったのでしょうか。
伊勢神道は中国思想の影響が指摘されていますが、
紀元前二百年に徐福が儒教や仏教を持ち込んでいて、
この段階よりも遥か以前から神道と関係した可能性を
考慮に入れておいた方が良さそうですね。
儒教・道教を含めた最初の神道経典とされますが、
邪馬台国ではごった煮であったのかも知れません。
この伊勢神道は邪馬台国の昔から、
「ええじゃないか」までリンクします。
日本の歴史を踏まえ未来を見据えるために、
この国の深層の問題を掘り下げていきます。
コメント
伊勢の神様について、最近『ダ・ヴィンチ・コード』のような歴史ミステリー小説『アマテラスの暗号』を読みました。圧倒的な証拠量、衝撃的な内容で、小説としても秀逸でした。中に出てくる材料はすべて事実に基づいているそうで、読んでいるうちフィクションかノンフィクションかわからなくなってきます。
そのあと、国史学会発起人の田中英道先生の関連本も何冊か読み、どうやらまったくのフィクションということではないようです。
どう思われか、記事にしてください。よろしくお願いいたします。
ニギハヤヒさん初めまして。
『アマテラスの暗号』はレビューを見るに日ユ同祖論がベースのようですね。
私の研究では日ユ同祖論は部分的には正しいのですが、重要な要素が欠けていると思っています。
現在進行形で調査している内容が多く経費が結構かさんでいるので、欲しいものリストでレビューが欲しい本をリストアップしておくなりすれば研究自体の幅は広がると思います。
読書スピードは遅い方ではないと思いますが、最近は気力が落ちてきたのか1日に10冊は読んでいたのに大分ペースが落ちていますね。
一応、日ユ同祖論については既に記事を幾つもストックはしてありますが、いつ出すかは分かりません。
リプありがとうございます。
実は私は日ユ同祖論について多少知識がありましたが、『アマテラスの暗号』はその範囲に収まっていませんでした。もっと日本神話や神々、神社の伝承や文献、家系図などに入り込んでいて、圧倒されました。
それまで日ユ同祖論はトンデモ?と思っていた私にも、結構説得力がありました。
どうお考えになられるか、非常に興味があります。
よろしくお願いいたします。