南朝正統論の奥

南朝と北朝の正統性についての議論は、
容易に決着がつかず長年論争されましたが、
明治天皇が三種の神器を所有していた
南朝を正統とする事で決着がつきます。

足利尊氏が一転して天皇家に背いた
大悪人と評価されたのに対して、
朝敵扱されてきた南朝方の評価が
一気に高まる事となります。

南朝に尽くした新田義貞の評価も、
死後に南朝から与えられた正二位から
正一位にまで格上げされる事となります。

足利尊氏はじめ室町幕府の征夷大将軍の
最高位とされる従一位を越える事となり、
天皇家に忠実に働いた貢献度が評価される
国民に対する見本となりました。

天皇への忠誠心を評価対象とするのが
明治維新移行の方針であったので、
南朝を持ちだし儒教を曲解する事で、
天皇を都合良く利用する事が横行します。

『神皇正統記』には天皇の正統性は
神器の保有のみでなく徳にこそあり、
徳がなければ没落すると警告しますが、
不徳の天皇にも忠義を尽くす臣下を
賛美する流れが水戸学からありました。

太平洋戦争時には神道や儒教が曲解され、
本来の姿とは別のイメージが広まりますが、
本来の南朝の姿も曲解されたままです。

南朝の特異性を語る上で重要なのは
余りにも天皇家とかけ離れた信仰にあり、
この部分からすれば南朝は『異端』です。

真言立川流と言う邪悪な呪術を行い、
危険極まりない領域にまで手を出した
キチガイ扱いされる後醍醐天皇ですが、
このクラスの問題ではありません。

後醍醐天皇は邪教に手を出す事で
権力を手に入れた天皇とされますが、
詳細に調べていくと全くのデマで、
むしろ天皇家と系統の違う信仰と
密接に関わっていた事が分かります。

権力を手に入れるために良からぬ輩とも
手を組んだとするレベルではなく、
南朝の根幹に関わる所から関与しており、
天皇としての存在意義すら左右する
この国の深奥に関わる問題があります。

どこまで出せるか分かりませんが、
順次研究を出していこうと思います。

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コメント

  1. シャイニー より:

    何も出来ないのですが 頑張って下さい今まで声を出せなかったけれどいろいろな立場の人が発言し始めています️
    20万人の戸籍のない人もいるのだとか?気になります 教育を正しみんなで次に行きたいです

    • Katsuyoshi より:

      このブログの目的は、むしろ読んだ皆様が自分に何が出来るか考えて実行する事が鍵となります。
      祭や地域資源の保護は価値の認知がどれだけあるかに左右されるので、情報拡散に御協力頂けると助かります。