ダキニ天は狐に乗っていますが、
民俗学研究家の故吉野裕子氏は狐を
インドでは彗星、中国では北斗七星を
示すものと説明しています。
狐が北斗七星のシンボルだとすると、
北斗七星は天の中心である北極星を
守護する星座とされているので、
狐に乗る神は北極星を意味しそうです。
狐に乗るのはダキニ天のみでなく、
他に様々な霊的存在も乗っていますが、
稲荷と狐が関係付けられた本来の意味は、
眷属としての狐だけではない可能性も
皆無ではないのでしょう。
狐は格の高い存在から人を騙して利用する
危険度の高い存在まで幅広く語られますが、
まあこれは人間でも同じ事ですね。
豊川稲荷には妙見菩薩も祀られますが、
妙見は北斗七星信仰なので関係があるかは
中々に興味深いところではあります。
伊勢の外宮の隣にも豊川稲荷がありますが、
地名の豊川に由来し愛知県のそれとは
関係ないものとされていますが、
ここもお狐様なら外宮の北極星の神と、
それを守護する北斗七星の関係があるのか、
稲荷の深層は想像以上に深いかも知れません。
外宮の神は豊受大神で穀物と関わり、
稲荷と意味が被る事になりますが、
豊葦原の瑞穂の国と言うように
農業が重視された古のこの国は、
鬼道が様々な形でその痕跡を残し、
影響を与え続けているのでしょうか。
コメント
南方熊楠は狐ではなくジャッカルだと小論文で述べています。稲荷は異也でイエスを救世主と認めたユダヤ人だと言う説があります。奥の深い神ですね。ダキニ天がわかれば密教がわかるとも言われいます。
林さん初めまして。
色々と書こうと思っていた事を書かれてしましましたね。ジャッカル説もその内出していきます。