古代中国には神農と呼ばれる
医療と農業の神が存在します。
三皇五帝の一人とされる
伝説的な存在ではありますが、
上に立って威張るのではなく、
かなりハードな生き方で
優れた功績をあげています。
神農は木材から農具を作り、
土地を耕作し五穀の種を巻く
農耕を人々に伝えた存在で、
ここまではマトモですね。
薬草と毒草を見極めるために、
赤い鞭(赭鞭)で百草を払い、
自分の体を使ってそれを嘗め
人体実験をしたそうです。
神農は頭と四肢以外は透明で、
外から内臓が外はっきり見え、
毒があれば内臓が黒くなるので、
毒が影響を与える部位を観察し、
データを蓄積したとされます。
結局は毒死していますが、
何でも食べていた古代人が
病気に苦しめられたので、
農業・本草学・医療を教えた
重要な存在として信仰されます。
物々交換などを行う市場や店を
初めて行わせた事でも知られ、
斜め上に凄すぎるので、
神農の様な人だと言われても、
素直に喜べるか微妙な感じです。
神農が日本と関係するかと言えば、
浜松の南朝に関係する鴨江寺で
神農が祀られる事が挙げられます。

境内に役小角の石像もあるので、
壬申の乱以前から存在した寺院で
神農が信仰されていた可能性は
無きにしも有らずでしょうか。
この神農は古代中国の神であると
一般的に認識されてはいますが、
ヤマトと関係していた可能性も
相応にありそうな所です。

突っ込んだ話をしようとすると、
菅原道真公の研究にまで
触れなければいけませんが、
これが結構膨大な量があり、
出すとしたら大分後です。
神農は体は人で頭は牛とされ、
これも牛の角で鬼道に通じる
何かが伝承の核にあって、
後に変質したのでしょうか。