無田甫田

詩経には「甫田」が二つあり、
無田甫田で始まる方の詩は、
大き過ぎる田を耕すなと、
自分の力量を弁える事を
諭す時にも用いられます。

庭で色々と栽培して上手くいき、
大きな土地を借りたは良い物の
中途半端に弄ってから放置しては
既存の生態系にすら害が出るので、
ご利用は計画的にと言う所ですね。

高い壁があった方が成果を上げる
負けん気の強い人なら良いですが、
農耕を例えに様々な所で用いられ、
普遍性の高い教訓になっています。

アグリカルチャーとカルチャーに
共通する部分が存在しているなら、
古代の農耕に関する研究をする事で
現代に至るまでの文化の流れを
より深く理解出来そうです。

江戸時代の農業文献の一つに
『農業全書』がありますが、
上杉鷹山や二宮尊徳を初め
大抵儒教の影響が見えるので、
原典に当たる事で彼らの理解を
より深める事が出来ます。

面白い事にこの甫田の詩と
太公望と関係する要素が
存在するという説があり、
学生時代に学問の楽しさを
知る事が出来れば幸せですね。

現代の学校教育は基礎としての
良質の土壌を提供しているか、
考え直す必要がありそうですね。

単純な労働力の生産であれば
奴隷教育と何ら変わりなく、
機械にとって代わられるだけの
程度の低い部品と代わりなく、
終身雇用も昔の神話です。

農耕は命を扱うものであり、
自然界の様々な要素とも
密接に関係するものなので、
自然と一言で言ったとしても、
深い理解が必要となります。

古代中国には天文(占星術)と
地理(風水学)が存在しており、
天地に関する研究の深さは、
薄いお題目の域を越えています。

質の高い学問研究のモデルは、
アレクサンドリア大図書館に
見る事が出来るものであり、
基礎となる土壌を培わないと、
力量を過ぎた大きな田で
苦労する羽目になりかねません。

昔の学問は机上の空論ではく、
実地で理解を深められる
優れた要素が多かったですが、
ヘレニズムにまで農業の見直しが
遡る事が可能となるのであれば、
農業の見方も変わりそうですね。

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