『農業論』とヘレニズム

現存する最古の農学書とされるのは、
マルクス・ボルキウス・カトーによる
ローマ時代に書かれた『農学論』と
一般用に言われているそうです。

カトーはブドウ・オリーブ・果樹栽培に
的を絞って耕地土壌を九種類に分類し、
何が最もよく育つかを主な基準として、
更に二一種類の小区分に分けています。

カトーは農民を理想の市民と呼び、
北アフリカの農業大国カルタゴへの
軍人侵略の正当性を元老院の議場で
堂々と宣言した事が発端となり、
第三次ポエニ戦争(B.C.149〜146年)で
カルタゴは焼かれ、住民は虐殺され、
農地はローマのために搾取されます。

カトーの現実的な農業へのアプローチは、
大農園所有者というローマの新興階級が
ワインやオリーブ油の産出を最大にし、
出費を最小限に抑えるのを手助けした
効果が見受けられると言う事です。

カトーの農学論はイギリスが行った
プランテーション農業のローテク版で、
資本家が奴隷を利用し作物を作らせ、
産業革命で大規模化する前の段階でも、
共通の問題を引き起こしています。

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