アニメを使った地域振興の話を
良く聞く事があるのですが、
この源流にはアニミズムの影が
見え隠れしていますね。
アニメで出てきた場所を
聖地巡礼と言って参拝する
宗教的なネーミングは、
この国特有なのでしょうか。
アニメの売上と聖地化とは
必ずしもリンクはしない様で、
円盤各巻平均売上の採算ラインの
4000枚を割った場合は別として、
ヒット作の1万枚を超えなくても
成功している事例もあります。
「花咲くいろは」の円盤の売上は
平均売上が1万枚に至らないものの、
聖地化に成功していますね。
4000枚以下でも「琴浦さん」で
鳥取県琴浦町が一部のファンに
聖地化されているケースもあり、
アニメで地域振興をしようと
動いた話は結構あります。
アニメは良くても地域経済に
利益の出なかったケースもあり、
様々な要素を考慮に入れる必要が
存在しているジャンルですね。
北海道大学観光学
高等研究センター教授の
山村高淑氏によると、
アニメグッズはコンテンツの
憑代と定義されています。
イベントは祭と同等であり、
ある種の聖性を持ったコンテンツを
地或内外の人々の手で共有する作業であり、
キャラクターや物語世界の人との
交渉を具現する儀式
と定義されている事から、
異世界の住民とのコンタクトを
イベントで行う作業には、
花祭に通じる物を感じさせます。
ファンにとってキャラクターは
神聖な存在とされるからこそ、
そこに聖性を感じるが故に
聖地巡礼の呼称が定着すると
語られているようです。
祭を失った現代文明において、
形を変えてアニメで具現化する
現象が見られているのでれば、
民族性のなせる技なのでしょう。
わざわざ遠方まで出向いて
聖なる存在と会う行為は、
伊勢参詣や御神山体登拝に
通じる物がありますね。
ここに修験道や鬼道が
関与しているのなら、
文化現象の深層の研究は、
地域社会への新たな視点を
提供してくれそうです。
アニメにおける地域振興も、
何をもって成功とするかは
難しい定義になります。
アニメの聖地、商店街、
農村共同体等の多くに、
閉鎖的・排他的・思考硬直等で
自ら衰退しているケースが
見受けられると言われています。
祭で鬼神と交流するのは花祭、
「ええじゃないか」や伊勢参詣は
外宮の伊勢神道の影響が強く、
根幹にヘレニズムや鬼道が
横たわっているとするのなら、
アニメに留めるのは問題です。
地域振興の基礎部分の見直しに
これらの歴史的観点を導入すれば、
新たな地平が見えそうですね。
神田明神はラブライブの聖地で
怨霊の気配は微塵もありませんが、
ミューズはギリシャ女神であり、
ヘレニズム文化の立役者です。
どうせなら日光東照宮と
ラブライブサンシャイで
コラボする位のケレン味が
欲しい所ではありますが、
高度な江戸文化の深層にも
ヘレニズムが見えそうです。
突拍子も無い事を言うと、
止めなさい!と言われて
叩き潰されそうですが、
昔の信仰は寛容な部分が
結構あった気もします。