『小野市史』を参照すると、
小野市内に天目一箇神を祀る
神社を見つける事が出来ます。
小野市中番町の住吉神社と
小野市菅田町字源太夫垣内の
菅田神社に見られますが、
京都市左京区に小野源太夫社が
鎮座している事が気になります。
祭神は猿田彦命とされますが、
源頼朝が松田源太夫という
御家人を遣わせる事で、
健礼門院の動静を監視させた
屋敷跡という伝承があります。
もう一つの伝承は侍の松田源太夫が
女が化けた大蛇を切り殺した事が
由来となってはいるのですが、
史実ではない感じではあります。
ここから山道を北上すると、
惟喬親王が隠居した小野の地に
通じている事を考えると、
源太夫には小野氏との
関係がありそうな気配です。
小野氏と天目一箇神には、
深い関係があるのでしょうか。
アメノヒトツ神は岩戸開き神話で
天照大神を岩屋の外へ誘きだす時、
祭りに使用する刀剣類や斧、
鉄製の大きな鈴等を作った神と
伝承されている存在です。
鍛治に関わる神であれば、
タタラに関係するのか、
片目なのも鍛治の作業に
通じていそうではあります。
天孫降臨ではニニギノミコトに
付き従う神の一柱として天下り、
鍛冶の祖神となっていますが、
小野氏が天孫降臨した神の
末裔とされていたなら、
事はそう単純ではありません。
天皇家以前の天孫降臨神話に
饒速日命が存在していますが、
小野妹子が先住民族王権と
密接に関わっていたとすれば、
饒速日命サイドである可能性も
存在している事になります。
この神は八幡神とも通じる
深層が存在していますが、
余り書くのも憚れるので、
触り程度の話になりますね。