ユダヤに預言されたアレクサンダー大王

ユダヤ人はソロモン王の死後に南北に分裂し、
攻め込まれバビロンに連行された歴史があります。

バビロニア捕囚時にダニエルが、
アレクサンダー大王の登場や、
継者争いで四国に分断された事を
預言していた事が記されています。

ユダ王国を滅ぼしたネブカドネザル2世は狂死し、
B.C.562年に後を継いだベルシャザールの治世3年目に
この預言があったとされています。

ダニエル書:11章3節
ひとりの勇敢な王が起こり、大きな権力をもって治め、
思いのままにふるまう。

ユダヤ人はダニエル書に預言された王として
アレクサンダーを歓迎して恭順の礼を尽くし、
アレクサンドリアでは大量のユダヤ人が
活躍していたとされています。

ダニエル書:11章4節
しかし、彼がおこったとき、その国は破れ、
天の四方に分割される。
それは彼の子孫のものにはならず、
また、彼が支配したほどの権力もなく、
彼の国は根こぎにされて、
その子孫以外のものとなる。

アレキサンダー大王がバビロンで死亡した後に
後継者争い(ディアドコイ)が起こり、
帝国は彼の直属の4人の将軍に分割されます。

大王より3世紀も前に預言されていたなら、
ユダヤ人が大王を崇拝する事で、
優遇されたポストにつく事はありえます。

ダニエル書は紀元前2世紀に起こった
シリア王アンチオコス四世による迫害時に
ダニエルの名を借りて書かれた説が有力です。

紀元前2世紀はアレクサンダー大王の死後なので、
預言も後出しジャンケンで書かれたものなのか、
歴史の捏造の可能性はあるのでしょうか。

ダニエル書には王が夢の解釈が出来ないので
バビロンの知者を全て滅ぼすように命じ
ダニエルのみが成したので彼にひれ伏した等、
かなり作為的な記述が見受けられます。

9章では懺悔の途中に来たガブリエルが
メシアが来るまでの期間を告げたとされ、
大王以外にも未来の預言が記されています。

ユダヤ教は大王の討伐したペルシャにおいて
ゾロアスター教と密接な関わりを持ち、
メシア降臨や終末預言を取り入れています。

アレクサンダー大王は様々な宗教を保護しましたが、
ゾロアスター教にだけは徹底的な弾圧を加えたとされ、
他の神を拝めば死に処せられるユダヤ教が
弾圧と無関係であったかは微妙なところです。

紀元前一世紀のローマの歴史家ディオドロスは、
あらゆる民族の中でただユダヤ人のみが
他のどの民族とも上手くやっていく事を悉く拒絶し、
他の全ての人間を敵とみなしていると
彼の著作に書き残しています。

アレクサンダー大王に関する歴史に
ユダヤ人による捏造が関与している可能性を
見いだす事は出来ないでしょうか。

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