八政

藤原惺窩は中国古典の重要章句に説明をくわえた
『寸鉄録』で『書経』「洪範」を取り上げます。

およそ政治の要はこの八項目であり、まず、この次第を心得るべきである。
人にとって最も大事なものは食である。食は一日もなくてはならない物であり、農業をつとめて遊惰徒食の民を戒める事が肝心である。
次に貨とあるのは、衣類をはじめ器財は欠くベからざるものだからである。食と貨はなくてはならない。この二つは人を養う具えである。
人間は飢寒を免れた後に、本を報ずる心がなくてはならない。ゆえに祭祀の道を知らしめ、終わりを慎み、遠きを追う事を知らせるべきである。『論語」にも、「曾子曰く、終わりを慎み遠きを追えば、民の徳、厚きに帰す」と言っている。
次に司空の官を立て土地に空地が無いようにし、士農工商の四民の居住地を安んずるようにすべきである。以上の四項目は、いずれも人を養う道である。
暖かい衣類をもち、満腹するほど食しても、教育がなければ禽獣の如く、人倫の道を知らぬ者となる。適度に養い、教育の道を立てて、司徒の官を置くのである。
この教えに従わず罪科を犯す者がある。ゆえに司寇の官を立て刑罰を科す。
その上で、賓客の交わりがなくてはならない。
大事が起こったときには、兵戦軍法の備えがなくてはならない。これを師という。この八項目の一つも欠けては、政治とは言えない。

惺窩は八政の順序を心得るべきとし
食を最優先に置いているのですが、
現代日本は最初からアウトですね。

四民のうち農は衣食のもとであるとし、
工は諸職人だが役に立たなければ
職人とはいえず固く禁ずべきとします。

商は有無を通す(流通)をいうが、
末の世になると人の目をくらまし、
富貴なる者は上を凌いで下を侮り、
自己の分を守る事をせずに
屋宅、園池、衣食器とも王侯を凌ぎ、
倫理を乱す者が現れると語ります。

これを古今の戒めとしており、
商業を蔑視したと言うよりは
低俗な商人が出て来る事への
警告として見れそうですね。

これを近代日本に照らしてみると
面白い事が浮上しそうですが、
江戸幕府の崩壊にも商品流通が
関わっていたとも言われるので、
先見の明はありそうです。

商売と言えばユダヤ人やソグド人が
色々と荒らした歴史がありますが、
平家も信仰的にここに通じており、
全て一神教系となっています。

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