閉塞して新たな展開のない平成が終わり、
令和の時代に入って大きな騒動が起きていますが、
令和の意味をもう一度とらえ直してみましょう。
漢字の原義を研究した白川静氏の著作
『白川静著作集一 漢字一』には
「命」や「令」について研究がなされています。
「命」ははじめ礼冠を着けた人がひざまずき、
静かに神の啓示を受ける「令」と書かれ、
後に祝詞を納める器である口が加わり、
その祈りに対して与えられる神意が「命」とされた。
生きる事の意味は命を自覚することにより与えられ、
天命と呼ばれた。
「天」の文字は両手両足を広げた「大」の形の
人の頭が横に伸びた形をしています。
「天」はもと人の形をしていたようですが、
中国に限らず古代の思想では「人」は小宇宙とされ、
大宇宙の「天」と相似形をしているとされます。
儒教では孟子の言う浩然の気を培うことで
天地と一体となる天人合一の思想がありますが、
そのためには道理に精通して誠を通す事が
必要とされています。
令和になり激動の時代に突入しましたが、
「命」と「令」の原義をもう一度見直し、
生きる事の意味の本質を踏まえて天命を自覚する事で
この時代を乗り越える力が得られるのかもしれません。
自然との調和を失った現代文明ですが、
古代に持っていた感覚や思想も失われています。
環境保護や自然との共生、食べる事や生きる事の意義を、
はるか深い部分から見直しを入れなければ、
見ないように誤魔化して先送りしてきた問題が噴出し、
コロナよりも大きな問題に直面するかもしれません。
コメント
令和の「令」の字は諸説あって統一見解はないそうです。白川漢字学説は有名ですが、主張が特殊であり、後に発見された資料により否定されたりしています。私も白川先生の学説が好きだったのですが、白川研究所の学者に直に聞いたら冷ややかな反応でした。
塩野七生さんのローマ人の物語が専門家から全く相手にされないように(ラテン語の資料まで創作しているため)、ハラリの「ホモサピエンス」が学者からは「ポップ人類学」とバカにされるように、世間で有名なことと実際の学問は違うことがあり、驚かされます。
私も文献で白川さんの研究とは異なる説を展開していますが、彼の功績自体は評価しても良いと思っています。
個人ではなく学会などにも問題がある可能性はあり、アレクサンドリアにおける学術研究の流れが復興されれば面白い話になると個人的に考えています。