悪王アレクサンダー

ヘレニズム文化を作ったアレクサンダー大王は、
コーランでは神の声を聞く預言者とされていますが、
ゾロアスター教では悪王と呼ばれ、
立ち位置により真逆の評価がなされています。

神であった存在が悪魔として扱われる事は多く、
阿修羅もリグ・ヴェーダに記された神格から
死ぬほど低く語られるようになっています。

ゾロアスター教は中近東で信仰されていた神々を
悪魔扱いしてきた事で有名ですが、
漢字の『悪魔』は仏教用語であったようです。

Devilはサタンのギリシャ語である
ディアボロスから派生した言葉とされていて、
Demonもギリシャ語のダイモーン由来なので、
アレクサンドリアでギリシャ語聖書が作られた事と
密接に関係した用語のようです。

DevilやDemonはラテン語の神であるデウスや
サンスクリット語の神デーヴァなどの
div(輝く)の派生とする説があります。

悪魔の概念の歴史を研究した
ジェフリー・パートン・ラッセル氏によると、
悪の人格化としての悪魔の概念は、
古代ユダヤ教・キリスト教・イスラム教・
ゾロアスター教の4つに特有のものとしています。

ヨブ記によるサタンの記述は
悪魔ではなく試練を与える存在で、
ユダヤ教で唯一神に対立する悪とされたのは、
ペルシャによりバビロニア捕囚から解放され
ゾロアスター教と関係を持った頃からでしょう。

日本では平安時代から節分の豆まきで
鬼を悪者とする儀式が広まりましたが、
邪馬台国では鬼は神とされ、
鬼道が行われてきました。

鬼道はヘレニズム的であり、
豆まきはゾロアスター教的なのでしょう。

アレクサンダー大王は双角王と呼ばれましたが、
彼も鬼神とされていたのでしょうか。

善悪の対立の概念はゾロアスター教的であり、
儒教やプラトンの語る善とは対立概念ではありません。

一神教が支配的となり世界史を主導してきましたが、
根本から見直しても良い時代なのかも知れません。

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