農耕の由来

日本神話で語られる農耕の由来は、
天照大神が孫のニニギに稲穂を持たせ、
天孫降臨させた事から始まっています。

比較神話学で多大な功績を残した吉田敦彦氏は
この神話の由来をギリシャ神話に求めます。

女神デメテルが天界を捨て大地を放浪していた時、
国王がデメテルを慰めようとするも効果はなく、
ボウバと言う女性が××を行い心を和らげます。

デメテルはこの恩に報いるため、
デメテルが孫のように育てた王子に
空を飛ぶ翼を生やした竜の戦車を与え、
世界の人々に麦の栽培を教えるために
旅立たせています。

古事記よりもギリシャ神話の成立のほうが
遥かに古い事は言うまでもありませんが、
この情報だけで断定しきれない話は沢山あり、
学術研究の余地がありますね。

ギリシャ神話がオリジナルなのか、
世界的に類似した出来事があったのか、
深層心理の神話的表現なのか、
オリジナルの神話がギリシャで変質し
日本に源流が残されていたか、
様々な説が出てくるのは楽しいですね。

農耕の由来が神話に求められたように、
農耕そのものも儀礼として行われました。
大地を女性とし種蒔きを生殖に見立て、
地下に根を張り天に伸びる姿は
死と再生の象徴とされます。

農耕に纏わる儀礼は多くあり、
人が生きる本質に関わっています。

農業が重労働で社会的に低い地位とされ、
他で金を稼いでうまいものを買うと言う
刹那的な考えが主流になりましたが、
人としての根幹を見直すためにも、
農耕儀礼の見直しは必要なのでしょう。

神話にはまだまだ解明されていない
歴史的な背景やブラックボックスがあり、
非科学的のレッテルを貼り終るには
余りにも多くの叡知が残されています。

儒教では農耕に関わる全ての存在に対し
祭を行い収穫を祝いますが、
人間のみの力では作物は育たず、
太陽、月、山、川、大地、風、微生物、
その他諸々の存在が関わっています。

今年も残り僅かとなってきましたが、
人間のみで忘年会を行うのではなく、
豊年を祝うのは関係した存在全てと共に
行うべきものなのでしょう。

徐福王朝で行われた農耕祭祀には、
現代の農業で忘れ去られた大切なものが
数多くあったのでしょう。

歴史を活用した地域振興は、
その優れた精神を踏まえた上で
行われるべき事なので、
基礎研究は必須となります。

詩経』を始めとした農耕祭祀を研究し、
現代農業に必要なものが見出だせたなら、
使えるところは積極的に活用して欲しいものです。

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