ダキニと大黒

矛盾する伝承を持つダキニ天ですが、
願いを叶えるかわりに魂を食らわれる
黒魔術の悪魔との契約のような呪法にも
ダキニ天が登場しています。

ダキニ天は人を食らう悪鬼であった所を
大黒天が改心させたと伝えられますが、
ここを掘り下げると様々な矛盾が出ます。

ダキニ天はカーラーの侍女となったとされ、
カーラーはマハーカーラー(大黒天)の妻で、
人の首を斬り落とし生き血を求めるとされます。

この文脈だとダキニよりもカーラーを
改心させる必要がある事になりそうですが、
インドの神々の深層を探る必要がありますね。

カーラーは阿修羅を倒すために生まれたとされ、
マハーカーラーもダークサイドの象徴であり、
ダキニもこの文脈に取り込まれています。

阿修羅と来ればブログ記事を読んできた方は
私の言わんとする事が理解出来るでしょう。

何れにせよ本当の所が分からないまでも、
契約にはシビアな対価がつきものなので、
甘い気持ちで関わるのは危険でしょう。

記事を読んで軽い気持ちで参拝して
後に面倒になっても責任は取れないので、
書くなら注意点にも触れておかないと、
片手落ちになる可能性がありますね。

ダークサイドと言うと中二病っぽいですが、
死の商人や麻薬密売人、人身売買業者など、
リアルにも不用意に関わらない方が良い
闇に関わる存在がいる事は分かるでしょう。

マトモなところに相手にされず、
闇金から金を借りたらどうなるかは
現実にシビアな判断が求められますが、
このジャンルになると甘く考えて
不用意な頼み事する危険があります。

内臓を食われる等は比喩としてなら
問題ないように思われそうですが、
借金して臓器を売る羽目になったら
本気でシャレになりません。

信頼を勝ち取る行為を積み重ねた方が
多方面においてマトモな助力があるので、
頼み事をする以前に姿勢に問題がないか
考えておいた方が良さそうです。

志もなく無責任に自然を破壊しても
自分だけが儲かれば良いと言う所に
力を貸す存在がマトモなはずはなく、
契約条件も危険なものでしょう。

信仰と言いつつ実際には取引なら、
様々な条件を考慮する必要があります。

目先の欲の対価で多大な痛手を食らうなら、
本当にそれを求める価値があるか否かは
言葉の通り命懸けで考える必要があり、
根本的に人生の意味にすら関わります。

霊的な存在に力を求めて因果を否定しても
ナンセンスな話しでしかないので、
否定するなら頼まなければ良いだけで、
効果があるなら害もリアルにあるでしょう。

利益を求めるなら儒教のように
道理に精通した運営を追及する方が
長期的な繁栄に繋がりますが、
人格を磨く事が根本に来ます。
伊勢神道も清浄と至誠が重要ですね。

ツケを誤魔化して切羽詰まったから
その場凌ぎで何とかしようとしても、
後で更に大変になるだけです。

南朝を扱うとダキニ天が関わるので、
記事を読んで祈願して問題が出る等の
責任が出そうで躊躇していました。

リカバーの効く痛手なら勉強代ですが、
対価が大きいものは考えものなので、
蛇足ですが注意点は明示しておきます。

ダキニ天で書ける事は色々とありますが、
人間いずれ死ぬのは確かな事なので、
あの世に行った時に悔する事のない
心の底から納得できる誤魔化しのない
生き様を考えて関わる方が良さそうです。

本来のダキニ天の復権を考えてはいますが、
仮に高貴で光輝く存在であったとしても、
パワースポット的な感覚で関わるのは
宜しくはないのではと考えています。

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コメント

  1. 林尚史 より:

    僭越ながら、サンスクリット語では末尾にiが入ると女性名詞化しますのでカーラではなくカーリではないかと思います。何時も愁眉を開く様なお話し有難うございます。先生の博学多才には脱帽させられます。林尚史拝

    • Katsuyoshi より:

      林さん初めまして、調査に行っていたので承認が遅れました。
      ブログを始める時に重箱の隅をつつくようなコメントが大量に来ると思っていたのに中々マナーが良いので、たまに突っ込みが入ると新鮮ですね。
      私よりも頭の良い方は大勢いらっしゃるので、早くこの領域の研究の流れを出して卒業したいところです。