円仁は十月九日に下った
勅の内容を記しています。
全国の全ての僧および尼僧で
焼練・呪術・禁気に通じていたり、
軍隊を嫌い悪事を犯して軍を逃走し、
身体に笞打ちの刑の痕のある者、
いれずみのある者、
色々な技術を持っていながら
役に立たせないでいる者、
以前に姦淫の罪を犯し
妻を養って戒律を守らない者、
以上の者はいずれも強制的に
還俗させ僧尼として認めない。
もし僧尼で銭や物および
米穀・田地・庄園を
持っている者がいれば、
それらは官に収めさせる。
もし銭や物の没収を惜しみ
還俗を請願する者がいれば
還俗するのに任せ、
代わりに庶民が当然負担する
両税を収めさせ、
労務服役の義務を負わせる。
と記していはいますが、
これだけ見ると酷いとは
言えない感じもします。
禁気は黒魔術ではないかと
解釈される事がありますが、
犯罪者が僧侶に偽装したり、
納税対策として宗教を利用し
国の経済に損害を与えるなら、
対策されて当然ですね。
しかし円仁の書いた内容より
遥かに問題のある行為が
当時の寺院で行われており、
こう言う部分も記さなければ
評価に偏りが出るでしょう。