上杉鷹山と儒教

日本での知名度はそれほど高くないのに、
海外から高い評価を得ている人がいます。
江戸時代中期の出羽国米沢藩の藩主である
上杉鷹山(うえすぎようざん)もその一人です。

米沢藩の深刻な財政難を救った事で知られていますが、
18世紀中頃に二十万両(約150億~200億円)の借金があるのに
高い人件費を削りリストラする事をせず、
プライドを棄てられず食事も贅沢なままだったそうです。

鷹山は優秀な人材を登用して家老らと対立し、
藩主の生活費を七分の一程度に減額し、
奥女中を50人から9人に減らし、
粗食に改め倹約を行ったそうです。

天明の大飢饉では非常食の普及や藩士・農民へ倹約を奨励し、
藩校を再興させて身分に関係なく学問を学ばせ、
日本で最初に公娼制度の廃止をする等の改革の決壊、
破綻寸前の藩の財政を立て直し、借金を完済。

公娼の廃止には当然反論があったようですが、
廃止しても何の問題も生なかったそうです。

鷹山が次期藩主・治広に家督を譲る際に申し渡した伝国の辞は
版籍奉還まで家督相続時に相続者に家訓として伝えられました。
ここには国家や人民は私物ではなく君はこれを立てるために
存在していると語られています。

「成せばなる 成さねばならぬ 何事も 成らぬは人の 成さぬ成けり」
とは有名な『上杉家文書』に記された鷹山の書状ですが、
儒教経典『書経』の「弗爲胡成(為さねばなぜ成ろうか)」を
参考にしているようです。

鷹山は籍田の礼も行いました。
籍田の礼は儒教経典『礼記』に記された農耕儀礼で、
民に田を耕せる前に君主自らが神田に鍬を入れ、
初めの一歩を優れたものにして後に繋げ、
祖先に収穫を捧げ加護を祈るものです。

上から指令だけを出す現代的なリーダーシップと違い、
自ら最初に率先規範を行う在り方が重要なのを示し、
偉大な政治家は偉大な教師であるとする儒教の実践が、
藩の財政再建に多大な価値をもたらした実例でしょう。

第35代アメリカ合衆国大統領ジョン・F・ケネディの就任時、
日本の記者団が日本で一番尊敬する人物を聞くと、
即座に鷹山の名前を挙げたとされています。

ジョン・F・ケネディの長女のキャロライン・ケネディは、
山形県や米沢市の要請で2014年9月に米沢市を訪れた時、
父ケネディが鷹山を称賛していたとスピーチしたそうです。

現アメリカ大統領のドナルド・トランプ氏は、
ジョン・F・ケネディ・ジュニアの友人だったと言われますが、
日本がアメリカから一目を置かれるには、
儒教を実地で行い成果をあげた
上杉鷹山を見直すと良いのかもしれません。

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コメント

  1. 樋口栄治 より:

    突然ですが、
    「上杉鷹山と儒教」の投稿を使わせていただく手続きは、
    どのようにすれば良いでしょうか。 

    • Katsuyoshi より:

      始めまして。
      ブログ記事の引用でしょうか。
      公序良俗に反しない限りは出典を明示して頂ければ問題ありません。