虚空蔵菩薩求聞法

空海の残した『三教指帰』には、
虚空蔵菩薩の真言を一日一万回、
百日に渡って唱え続ければ、
優れた記憶力を得られる事が
書き残されていますね。

虚空蔵菩薩求聞持法は、
誰が空海に教えたかが
不明な呪法とされていて、
候補者は一人でありません。

この法には様々な伝承が
存在する事は有名ですが、
成就した暁に明星が輝き、
口の中に入ってきた話は、
色々と示唆的です。

これらは様々に語られ、
今さらの感はありますが、
全く別の観点から見ると、
新たな着想が得られます。

唐の玄宗皇帝もこの法を
尊重していた事が知られ、
真言を百万回唱えるのとは
別の法であった可能性が
示唆されている状態です。

皇帝がこれだけの修行を
政務の間に行う事は
非常に難しい話であり、
もっと道教的な形態の
術であったとする説は、
中々に興味深い所です。

更に興味深いのが玄宗皇帝が
仏教を忌避していた事であり、
日本が仏教ばかりで道教を
学ばなかった事に対して、
良い印象を持たなかったと
伝えられていますね。

仏教嫌いと言う事であれば、
密教も仏教に属するので
排除されても不思議はなく、
仏教を偽装した一神教と
別系統の宗教であった事を
認知していたのでしょうか。

密教と言えば大乗仏教と
絡められる事がありますが、
私はここに疑問を持っており、
少し調べた事があります。

密教の起源は神話的な伝承で
飾られている所であるので、
隠されている領域があると
見る事も出来そうですが、
これだけで一冊書ける程に
色々とありますね。

軽く触れるなら密教が
錬金術と密接に関係する
可能性があると言う事です。

この秘法に挑んだ僧侶達が、
死亡したり精神を病んだ
数多くの記録が残されており、
本来は別の形態の法であった
可能性もありえそうです。

そしてこれは空海の謎に
直結する内容が含まれる、
純仏教とは言い難い類いの
問題が含まれていますね。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする