ティタノマキア

ギリシャ神話には太古の神々の戦いが記され、
ティタン神族とオリュンポスの神々との
天界と宇宙の支配権をかけた戦いは
ティタノマキアと呼ばれています。

神々の戦いは世界各地の神話に残されていて、
聖書においては神と堕天使ルシファーとの戦い、
古事記においては天照大神とスサノオ等が存在します。

興味深い事にティタンは農耕に関わりますが、
旧約聖書ではカインとアベルの兄弟対立では
兄のカインは農耕をして神に愛され、
弟のアベルは狩猟をして兄を殺すので、
モチーフとしては共通しています。

太古の世界では農耕を主体とした文明があり、
狩猟系の搾取を行う文明に戦争を仕掛けられたのか、
この流れは現代に至るまで継続しています。

キリスト教圏では金の貸し借りで儲ける事は
汚い行為として捉えられていたので、
ベニスの商人のようにユダヤ人に金融を押し付け
一部の金融関係者が国を動かすまでの力を得ましたが、
経済においても調和を重視する農耕系と
悪知恵を使い搾取を目論む狩猟系の
2つの系統があるのでしょう。

古事記とギリシャ神話には多くの共通性があり、
イザナギが黄泉の国に妻を取り戻しに行く神話は
オルフェウス神話とほぼ被ります。

冥界訪問神話はニュージランドのマオリ族をはじめ、
あらゆる地域に普遍的に存在すると考えられていました。
死者が冥界の食物を食べ地上への帰還が不可能になった話は
世界各地に存在しているものの、
冥界訪問神話と結びついて文脈に組み込まれている神話は
日本神話とギリシャ神話以外に見つかってはいないようです。

ギリシャ神話の岩戸開き神話は太陽神ではなく、
農耕に関わる神によってなされています。
自然からの搾取で贅沢をしてツケを押し付けてきた
イギリス主導の世界経済の流れの次に必要なのは、
自然のサイクルと調和した文明なのでしょう。

岩戸開き神話を神話に戴いたこの国から、
太古の深層を紐解く事で
新たな流れを打ち出していく事は
可能なのでしょうか。

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