草木塔

以前、上杉鷹山の記事を書きましたが、
彼によって建てられたとする説のある
草木塔と呼ばれるものが存在します。

安永九年(1780)に上杉鷹山により建てられた
米沢市大字入田沢字塩地平(しおじだいら)の石碑に、
「草木供養塔」と刻まれています。

この年に百二十戸を焼く大火災が起こり
山林を大量に伐採したそうですが、
八年前にも米沢藩の江戸屋敷が焼失し、
ここでも大量の伐採があったようです。

十二年後に建てられた草木塔には、
釈迦如来の梵字の下に草木供養塔、
その左右に一仏成道観見法界、
草木国土悉皆成仏と刻まれているそうです。

上杉鷹山は儒教を財政再建に活用して
多大な成果をあげてきましたが、
儒教はを追及し天人合一を目指すので、
儒教の研鑽により国土や草木に至るまで
性を見出だしていたのかも知れません。

雑草も元は雜草と書かれ多様性を意味していたのが
それぞれの名前も忘れられ雑に扱われています。
人間の都合で邪魔者にされていますが、
根っこから抜くと地中の微生物などに影響し、
土が固くなるなど生態系に関係しています。

日本は自然に恵まれているので
大地に草が生えてきて緑にしますが、
ゴルフが始まったのは土地が枯れた国で、
自然を壊してまでやるスポーツではありません。

カリフォルニア州パームスプリングスの開発業者は、
18ホールのゴルフコースをオリーブ園に変えて
アグリフッドの中心にしたそうです。

agricultural(農業の) neighborhoods(近所)を略した
農園体験を核とした宅地開発をアグリフッドと呼びますが、
農園関係の施設が住居と一体に整備され、
住人が地元の農家を応援し新鮮な野菜を食べつつ
農園の風景を楽しむそうです。

米国には100超のアグリフッドがあり、
既存農地を活用したり工場を農地と宅地に戻す等
様々な展開がなされているようで、
ロシアのダーチャとは一味違った
農業コミュニティーの構築がなされています。

日本もゴルフ場などから農業にシフトする流れが
出てくるかも知れませんね。

自然と共生するモデルにシフトするのは
人間にとって重要な事だと思いますが、
徐福の時代から儒教が持ち込まれ
自然と共生する文明を重視してきたのであれば、
日本の建て直しには上杉鷹山のように
人間と同様に草木の魂も大事にする心から
見直す必要があるのではないでしょうか。

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