日本神話には神武天皇を導いたヤタガラスが登場し、
金山彦を祀る南宮大社にもヤタガラス伝承があります。
神の使いとされるカラスは日本神話以外にも登場します。
古代ケルト人で特に有名な軍事的な事件に
B.C.387年のローマ攻略とB.C.279年のデルポイ攻撃があり、
この二大遠征でケルト人を指揮した総大将の名は
二人ともブレンノスとされており、
アイルランド語、ウェールス語、ブルターニュ語等の
ブラーン(烏)の古代ケルト語です。
B.C.387年にローマ攻略があったとすれば、
アレクサンダー大王が生まれる前ですね。
大王も砂漠で烏に導かれています。
『マビノギオン』のウェールズの伝説で
ブリテンから大軍を率いて海を渡り
アイルランドに侵攻した人物の名もブラーンで、
ケルトの伝説で外国に遠征する軍隊の指揮者は、
烏の名を冠していたようです。
ブリテンに侵略したデーン人たちは、
烏を描いた旗を先頭に押し立てて戦った記録が残され、
戦場において後に従う軍勢に勝利を、
旗手には死をもたらすとされていたそうです。
ゲルマン人もカラスが民族の移動を先導し
軍隊の先頭に立ち勝利に導く霊鳥と信じられ、
アイスランドの植民の歴史書『ランドナーマボーク』は、
移民に先立ち最初にこの島を探査したフローキが
三羽の烏に導かれたと記しています。
ゲルマン神話の最高神オーディンは、
「烏の神(フラフナグス)」と呼ばれています。
神武天皇を導いたヤタガラスの伝承も、
既存で考えられている以上に、
より深く広大な古代の謎にまで
通じている可能性がありそうですね。