日本神話では太陽神が女神とされ、
月読命は男神とされています。
世界的に見ると太陽神を男神とし、
月神を女神とするケースが多いですが、
日本以外にも男女逆転をした神話はあり、
判然としない部分があります。
古事記に非常に似たギリシャ神話では、
ゼウス・ハーデス・スサノオが
天照大神・月読命・スサノオに対応し、
全てが男神とされています。
冥界の神ハーデスの妻ペルセポネは、
イザナギのように黄泉の国のザクロを食べ、
現世に戻れなくなります。
冥界に行った妻を取り戻す途中に
約束を破り妻の姿を見たので
妻を取り戻せなくなったオルフェウスも
イザナギ神話と酷似しています。
ギリシャ神話と古事記を対比させると、
複数の神話にまたがる対応が見受けられ、
解釈を複雑化させているのが分かりますね。
古事記と旧約聖書を比較しても、
複数の神話が同一の事象を
多角的に表現しているとする説もあり、
甘く見ると火傷しそうな謎があります。
冥界の神はハーデスとペルセポネの
双方を指していますが、
月読命は夫婦神だったのでしょうか。
奥三河の槻(つき)神社には
瀬織津姫が祀られていましたが、
「織」の字は機織りを意味するのか、
世界的に機織りは月の女神が行います。
徐福は赤引糸をもちこみ、
三遠から伊勢に奉納される織物も
徐福王朝の流れを汲んでいます。
複雑な事にペルセポネは、
岩戸から出てくるデメテル女神の
娘神ともされています。
冥界の女王が祀られていたなら、
冥界の王も祀られているのでしょうか。
日本の歴史の深層にこの男神が関わり、
徐福王朝から多大な影響を
この国に及ぼしてきたようです。
日本神話で神殺しをした以外は
記述の少ない月読命ですが、
どれほど高い神格だったのでしょうか。