祈年祭

2月17日は祈年祭の日のようですね。
としごいのまつりとも呼ばれ、
五穀豊穣を祈る宮中祭祀の小祭ですが、
本来は民衆による田の神の祭のようです。

予祝祭とは予め祝う事により
五穀豊穣をもたらす意味があり、
自然の恵みが軽視される現代には
見直す価値の高いものですね。

『古語拾遣』は祈年祭の由来を
大地主神が御歳神の祟りを恐れ、
穀物の豊饒を祈ったと記します。

天武天皇の時代の記録が残っており、
延喜式神名帳記載の全神社(3132座)が
祈願の対象とされていたものの、
平安時代には形骸化していき、
神祇官の内部の祭祀となります。

明治時代の神祇官復興により再開し
重要な国家祭祀として扱われ、
全国の神社で祈年祭が行われたものの、
太平洋大戦後にGHQから禁止され、
一部の祭祀に限定されたそうです。

天武天皇の時代に行われた後に
形骸化する流れから推察するに、
古代王朝で行われていた祭祀が
攻め込まれた後にも継承され、
徐々に廃れていった可能性が
ありそうな気がします。

田の神への祭祀は『詩経』にも記され、
徐福王朝で行われていた可能性が高く、
これを読めば古代祭祀の実態の把握が
ある程度は出来ると思います。

ここには農業に対する考え方以外に
農耕儀礼の具体的な姿や、
共同体における穀物の扱いなど、
多岐に渡る言及がなされています。

人間の力だけでは食物を生産できず、
自然界の様々な働きがなければ
飢餓で生存ができなくなります。

これらと良い関係を築きあげ、
共に喜び合う文明を取り戻す事は、
高度経済成長期以降に贅沢に慣れ、
ツケを後の世代に押し付けてきた
飽食世代の責任なのかも知れません。

食料危機の危険性も叫ばれていますが、
今日は自然の恵みに感謝する事で、
基本から見直してみては如何でしょう。

祝詞についてはこちらにあるので、
唱えたい方は試してみると、
効果の違いが感じられそうです。

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