偽書・神道五部書

外宮の神主により記された神道五部書は
偽書として扱われる事があるようです。

私の研究でも『倭姫命世紀』が
明確に間違いとする事のできる
根拠となるデータを掴んでいますが、
なぜ嘘の情報を記したのでしょう。

伊勢神道を幕府のイデオロギーとした頼朝は
古代の歴史に精通に精通していたようで、
不二阿祖太神宮の建立や社寺への寄進など、
歴史を知った上での行為としか判断できない
古代王朝に連なる聖地の保護を行っています。

頼朝は伊勢のスポンサーになる事で
内宮の下に置かれていた外宮を優遇し、
伊勢神道を隆盛させた張本人ですが、
朝廷を配慮した動きをしています。

内宮の下に置かれていた外宮も、
伊勢神道の隆盛や伊勢参りを興す事で、
内宮と同格の地位を確保しつつも
内宮よりも先に参拝させる事に成功し、
立ち回りの上手さを感じさせます。

事実を書くと目をつけられる時代に
鬼道を復興させようとした者達は、
危険な部分はカムフラージュして
表向き障りのない形での復興を
せざるを得なかったのでしょう。

間違った歴史を伝承しているところでも、
意図的に間違いを流しているケースがあり、
伝承の中に暗号として自らの出自を
隠して伝えているところもあります。

古史古伝には様々な偽書があり、
書によって内容に差がありますが、
どのような背景で書かれたのかも
研究対象とする必要があります。

偽書のレッテルを張ってしまうと
粗探しして全否定する事になり、
多角的・総合的な研究により
得られえるものが失われます。

いずれにせよ神道五部書により、
江戸時代までの神道界に
鬼道の復興がなされてきたなら、
明治以前の根底に位置する書として
高い歴史的評価が得られるでしょう。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする