伊勢や出雲は観光地として大勢の参拝客で賑わっていますが、
観光の語源は易経の風地観の六四から来ています。
觀國之光。利用賓于王。(国の光を観る。王は賓を用いるに義あり。)
象曰、觀國之光、尚賓也。(象に言う、国の光を観れば、賓が尚ぶ。)
賓客に国の光を見せる事で尊ばれる事が記されているので、
観光ビジネスの本質を考えた展開を模索するのであれば、
尊ばれるだけの輝くものが必要となります。
東京一極集中が終わり地方の強みを生かす兆候は見えますが、
強みの提示はどのような姿勢であたるかが重要なようです。
風地観は「觀、盥而不薦。有孚顒若。」とあり、
観、盥(禊)し薦めず、孚(誠)があれば顒若(敬恭)されると、
価値をプレゼンテーションする以前の問題として、
心身を清め、誠をもってあたる姿勢を重要としています。
歴史や文化財、地方の特産品など様々なものがありますが、
とってつけた金になりそうなところだけ持っていこうとする
禊の必要な考え方で地域の運営をしようとしても失敗し、
それに関わる人に輝きが見いだせないのであれば、
尊ばれる事はないという事なのでしょうか。
特に祭、神社仏閣やイワクラ、御神体山などのように、
古来日本人が大事にしてきたもので金の動く活動をするなら、
小手先のテクニックで対応しようとするのではなく、
特にこの姿勢が重要なのではないでしょうか。
パワースポットとして紹介される事で無闇に人がきて
以前の美しさがダメになるケースなども考えると、
関係者の基幹の姿勢こそ歴史研究以前に取り組むべき
課題なのかも知れません。