稲荷と言えば狐を連想しますが、
インドのダキニ天は屍肉を漁る
ジャッカルに例えられていました。
仏典でジャッカルが中国に伝えられた時、
中国にジャッカルはおらず野干と記され、
野干の外観と生態が狐と似ていたので、
妖狐の一種とされてしまったようです。
日本では野干は狐の別名とされ、
狐に乗ったダキニ天としての
イメージが流布されましたが、
三狐神や九尾狐が存在するので、
それ以前から狐を霊獣とする
信仰が存在していたのでしょう。
天照大神が狐の姿となって
岩戸隠れをした伝承もあるので、
日本の狐信仰は一系統ではなく、
もっと複雑な分類がありそうです。
日本のお狐様と言えば和服を着て
独特の優雅さを感じさせる
狐の嫁入りなどが見受けられ、
死肉を漁るおぞましい存在の
ダキニとのリンクは希薄ですね。
伝承の中には人を騙す狐なども
存在してはいるのですが、
邪悪と言う程の事ではありません。
インドのダキニはヒンドゥー教で
邪悪な神にされた古代神とするのが
私の研究した結果ではありますが、
黒魔術の御本尊としてのダキニ天は、
ダキニの名を語った悪魔との契約の
危険な雰囲気を漂わせます。
商売繁盛は欲に絡むので、
農耕儀礼のような感謝の道と
違った路線に行きがちですが、
商売だからこそ契約には
十分に注意しておかないと、
酷い目に遇いかねません。
孔子の弟子にも財神はいますが、
道理に沿った繁栄を追及しないと、
長期的にはデメリットは大ですね。