東大寺で有名なお水取りは
十一面悔過(けかえ)と呼ばれ、
実忠が創始者とさていますね。
お水取りは二月堂を創建した
天平勝宝四年(752)から
開始したと伝えられています。
実忠は『笠置寺縁起』に登場しますが、
東大寺と笠置寺が関係する事に関して、
既に南朝の記事で書いていますね。
天平十四年(1514)に書かれた
『二月堂縁起絵巻』によると、
天平勝宝三年(751)に実忠が
笠置山の修行中に竜穴を見つけ、
ここから兜率天に行くと天人達が
常念観音院で十一面悔過をしており、
これを見て始めたとしています。
ここで笠置寺と東大寺が繋がりますが、
南朝で笠置に関して色々書いた時に、
隠蔽された行基伝承も書きました。
行基が十一面観音悔過を始め、
これが隠された可能性が高く、
十一面観音は南朝でも重視される
白山信仰とリンクした仏です。
東大寺には行基に由来する
先住民族祭祀が関わっており、
この痕跡が後に抹消された
可能性は高いのでしょう。
行基の大仏建立に纏わる謎は、
伝えられるより深そうです。