女性と農業

農業は男の力仕事であり、
女性は関係ないものと
考えられるのが一般的で、
女性でも重労働を嫌う事が
普通に存在していますね。

これとは逆に女性が農業を
継承する事も多くなっており、
女性が農業をしにくかったり、
男性より低い権利しかない
社会環境の問題があるそうです。

古代の農耕祭祀は女が主役で、
男性オンリーとなったのは
後の時代であるとする説も
存在していはいる模様です。

男性の力が必要な大型の鋤が
開発されるまでの間は、
女性が鍬で土地を耕す事が
東西で決まっていたそうです。

妻の重労働を夫が手伝わない事を
スペインの宣教師が諌めたところ、
女は孕んで子供を生む術を知るので、
男が植えるより遥かに多くの実を
生じると返答されたそうです。

受けて育み生むのは女性で、
大地を母とする古代の思想は、
女性と農業を関連付けるのも
普通の流れではあります。

感類呪術の発想から行くと、
豊作を得るには共通の気を
発する物の存在が不可欠で、
乙女と農耕を関係付けるのは、
突拍子も無い事ではありません。

現代での農業と女性の関係は
ジェンダー的な議論がメインで、
子育て同様の女性の強みとして
農業が語られる事はないですね。

御鍬信仰も鍬と女性の関係から、
女性重視の信仰であった可能性は
十分に研究する価値があります。

女性が差別対象とされたのは、
明治以降に作られた認識に
依る所が多そうですが、
昔の北関東は毛野と呼ばれ、
女性が結構強かった様ですね。

儒教が女性に淡白と思われるのは
官僚になるための学問だからで、
ハニートラップで痛い目にあう
危険性が懸念されていた事は、
朱子の本を読めば分かります。

官僚は重労働より重責の方が
要求されてくる仕事ですが、
責任感の無い男性であれば、
女性より上と威張る資格も
無い事になるのでしょう。

女性性の時代等と言われても、
農業の在り方に踏み込んだ話は、
余り聞く事がありません。

食一つを掘り下げてみても
様々な領域と深く関わっており、
思想・文化・宗教などの領域が
底に流れている事が分かります。

近代農業に関わる議論に関しても、
産業革命以降か江戸時代辺りまでしか
遡って考える事は多くありませんが、
視野を広げると気付かなかった問題が
目に入って来る事は結構あります。

日本の田舎の文化がいつ出来たかも
様々な議論の余地が残されており、
日本にはサンカ等の文化もあります。

農業問題の社会的背景についても、
もっと広域な議論がなされる流れが
出て来る事によるメリットは、
一考する価値はありそうですね。

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