穀物メジャー

米国のシカゴ州にあるミシガン湖の畔、
シカゴ穀物取引所という輸入業務用の
貯蔵倉庫が立ち並んでいる中で、
世界の主要農産物が売買されますが、
一部の金融資本家が農産物を買い占め、
貯蔵倉庫に溜め込んでいます。

国際的な穀物の商取引きは、
穀物メジャーといわれる商社や、
それに関わる投資家の手により、
ダンピングや在庫隠しなどで、
市場価格が操作されています。

BIG FIVEと呼ばれる五大穀物メジャーは
時代により変動が見受けられますが、
アーチャー・ダニエルズ・ミッドランド、
ブンゲ、カーギル、ルイ・ドレフュス、
グレンコアの五社がトップ5でした。

2013年に丸紅がガビロンを買収して
ここに食い込んで行っていますが、
基本は欧米系企業による穀物支配が
世界的に行われている状況です。

ごく一部の企業が世界の穀物市場を
我が物顔で操作している状況で、
安全な食を続けられるのでしょうか。

トーマス・サニカラは穀物メジャーを
ホワイトカラ—のなりをした猛獣と呼び、
世界中の海を行き交う商業艦隊は、
武力による支配から穀物による支配に
パッケージが替わっただけの話ですね。

1990年代は五大穀物メジャーが
世界の穀物流通の70%を扱っており、
彼らの意向一つでノストラダムスの
大予言が成就してもおかしくない
危険な状況が続いていました。

1996年の初めに誰も想像しなかった
榖物不足が突然に発生する事で、
世界消費量の約80日分の備蓄量が
一気に53日分にまで激減し、
5月までの市場の榖物価格は、
前年比で70パ—セント上昇します。

この様な危険な市場に依存した
贅沢な食生活を続けている国は、
穀物メジャーの思惑で値上げすれば
大量の餓死者を出す事になりかねず、
金の亡者に命綱を握られた状態です。

人が増えたから削減しよう等の
マッチポンプ的な行為が可能な
構造で動いているのであれば、
案保的には最底すぎますね。

儒教で五年分の備蓄でも危険、
三年分の備蓄しかなければ
国とは言わないとしていたのも、
シビアな認識があった上でしょう。

食料の対外依存度を下げる事が
死活問題となって来かねませんが、
金があれば贅沢出来ると言う
不思議な信仰の危険度は高く、
有事の際には目も当てられません。

田舎で自給自足のスローライフを
満喫している人と比べれば、
彼等が何を考えるかによっては
都会の危険度は急上昇しますが、
人的リスクも相応にあります。

自分の食べる物は出来る限り
自分で栽培する事の重要性を
色々と書いて来てはいますが、
依存度が下がれば下がるだけ
安全度は上がっていきます。

石油等を大量に使った穀物栽培の
地球への負荷は多大なものであり、
贅沢のため一部の企業を富ませれば、
悪事に加担する事にもなります。

ウクライナ等で世界構造の変化が
見て取れる部分もありますが、
スムーズに移行して危険が無いと
保証されている訳でもありません。

ソ連はダーチャを導入した事により
移行時の被害が少なく済みましたが、
日本では政治に頼れるかと言えば、
大部分は自分で動くしかないでしょう。

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