トウモロコシのお母さん

様々な地域の農耕文化を調べると、
トウモロコシにも精霊が宿り、
トウモロコシの母と呼ばれる霊を
大切に扱って来た事が分かります。

大豆のコンパニオンプランツとして
トウモロコシを一緒に育てたのですが、
土地が痩せているので収穫については
ほぼ期待せずに育てていました

その中の三株が立ち枯れ病にかかり
様々な場所が枯れてしまった中、
小さな実をつけていたので、
育ったのに棄てるのも可哀想で、
食べてみる事にしました。

トウモロコシの皮を剥ぐ時は、
女性の服を脱がせ白い肌が見える
エロス的な物を感じさせますが、
自家栽培で不自然な物を使わない
農法をしているからでしょうか。

トウモロコシを女性とするのは、
こう言った経験から来るのか、
育てていても優しい感じがする
植物ではある事は確かです。

二口で食べられる程度の大きさで、
茹でたらそのまま食べられる様な
柔らかな状態になりましたが、
食べると甘い汁が全身に巡り、
優しさで暖かくなる様な感じが
数時間は継続していました。

枯れそうな中でも必死に実を残し
味わわせてくれた優しさは、
まさしく母的な感じがします。

一口でも十分な程の味わいで、
肥料で大きくするのとは違う
命の営みを十分に感じられる
得難い経験をしましたが、
生きる事そのものについて
考えさせられる所があります。

ホピはトウモロコシを飼育する
農耕部族とされていますが、
普段からこの様な豊かさを
感受しているのでしょうか。

日本は米が主食ですが、
日常せここまでの豊かさを
味わっているケースは
ほぼ無いと思われます。

頑張って栄養をつけた皮を
脱穀して白米にするような
勿体ない事をしていますが、
玄米にした方が自然の恵みを
味わえるとは思います。

ただそれよりも大きな問題は、
江戸末期まで続いていた
農耕祭祀の欠落にこそあり、
命の営みを大事にしてきた
農耕祭祀を復興させる事が、
深い豊かさの鍵となりそうです。

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