十日夜

旧暦の十月十日は十日夜と呼ばれ、
2022年は新暦の11月3日になります。

山の神が田の神となる話は
以前書いた事がありますは、
田の神様が山に帰るこの日に
稲刈りができた事を感謝し、
来年の豊作を祈ったそうです。

月見をする事もあったそうで、
農業と月の関係についても、
認識されていた事が分かります。

十日夜では夕方から夜にかけ、
子どもたちが歌いながら、
刈り取った稲を棒状に巻いた
わら鉄砲で地面をたたき、
庭先を回ったそうです。

地面を叩くのは土地の邪霊を鎮め、
豊穣を祈願する呪術であったり、
土地の神様に生気を与える意味が
存在していると言われています。

稲荷の音読みがトウカなので、
トウカと十日をかけてた
稲の行事とする説もありますが、
この日を十日夜と呼ぶのは、
関東・甲信越が中心だそうです。

関東圏は蝦夷地扱いなので、
やはり先住民の痕跡を
見る事が出来そうですが、
西日本でもこの日に纏わる
行事が残されていますね。

旧暦十月の亥の日の行事で
亥の子と呼ばれるそうですが、
亥の子づきが行われるそうです。

子供たちはわら鉄砲の代わりに
縄をつけた石を手に持って、

亥の子、亥の子、亥の子餅ついて、
祝わん者は鬼生め、蛇生め、
角の生えた子生め

などと歌うと言うのですが、
西日本で鬼が悪者扱いなのは、
ここにも見る事が出来ます。

となると、本来はこの日も
鬼神の祭であった可能性が
浮上してくる事になりますね。

一神教圏では鬼も月も悪者で、
ルナティックは狂気と訳され、
鬼はデーモン扱いされます。

デーモンはギリシャ語の
ダイモーンに由来しますが、
ソクラテスも語っている
知性の高い存在とされます。

行事一つをとってみても、
深い歴史を感じさせますが、
伝統行事は深層に触れられる
重要な儀礼ではあります。

十日夜に自然の恵みに感謝し、
月の神秘に思いを馳せれば、
古の心を感じとる事が
出来るのかも知れません。

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