『契丹古伝』の名称

『契丹古伝』は2980字の漢字で記された
一軸の巻物を指して呼んでいますが、
元は何の名も付けられていませんでした。

浜名氏により『神領叙伝』と命名され、
『頌叙』『東族古伝』とも呼ばれますが、
研究を纏めた本を『日韓正宗溯源』として
刊行したと言われているようです。

田多井四郎治氏により『契丹古伝』と
命名されたものが有名になりましたが、
『契丹秘史』『倭人興亡史』『北倭記』等、
様々に呼ばれていたとされています。

まあネーミングセンスからすると
契丹古伝が響き的には良いですが、
倭国も含めたアジアの歴史書とは、
一聞して分からないのがネックです。

契丹が大帝国であったのであれば、
中国の様々な倭国の記述と同様に
研究対象に含めても良さそうですが、
中国側の記述でも王朝によって
言う事が違っていたりするのに、
契丹にだけ厳しいのは微妙です。

日本にも様々な古史古伝が存在し、
その解釈に様々な問題がありますが、
文献の真偽と歴史的影響の検討は、
別のフェーズとして取り扱う必要が
存在しているのは確かでしょう。

基本的に歴史研究は推理となるので
100%正しいと言える事は皆無で、
研究がどれだけ為されているかは、
文献の知名度等にも依存しています。

となるとマーケティングセンスが
研究を左右する所がある事に
なってしまいかねませんが、
ネーミングが良かった割には、
都市伝説界でも認知が低いのは
どうしてなのでしょうか。

何故か私の研究は都市伝説的にも
インパクトの大きい話なのに、
平将門英雄説などを含めて、
殆ど扱われない背景に何があるか、
分かる方はいらっしゃるでしょうか。

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