円仁の不法滞在

円仁は長安で仇士良の
管轄下で仏教を学んだ
記述が残されていますが、
その前に不法滞在をして
五台山に行っています。

となると仇士良が不法行為を
容認した上で仏教を学ばせた
厄介な話になって来ますね。

仇士良が円仁とどうやって
関係を持ったかについては
詳しい事は分かりませんが、
円仁が長安で修行をすると、
日記の傾向が変わっています。

円仁の補佐に政治的な背景が
存在した可能性が高いなら、
廃仏の記述にも政治的意図が
混入しているのでしょうか。

仇士良が宦官の讒言により
失脚した後に仏教弾圧が
厳しくなったとされますが、
この周辺も怪しいものです。

五台山から長安に移った後に
日記の傾向が換わるなら、
彼の学んだ仏教についても
考えざるを得なくなります。

五台山は文殊信仰のメッカで、
文殊菩薩は岩戸開きの本に
詳しく書いておきました。

この菩薩は天台宗の教義と
全く違った系統にあるのに、
円仁系密教の流れを見ると、
整合性の取れない部分が
出て来る事が問題です。

円仁の日記は後の時代に、
何かしら不都合な歴史を
隠蔽する目的のもとに
書き換えられた可能性を
考慮する必要が出て来ます。

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