佐伯氏は大和王朝の捕虜となった
蝦夷の一族とされています。
佐伯今毛人(いまえみし)も
蝦夷から来ていたとされ、
今蝦夷とも言われたそうです。
毛人も蝦夷も蔑称なので、
捕虜が昇進した人物として
伝えたかったのでしょうか、
先住民族サイドの人物なら、
行基側に関わりますね。
行基と共に活動した橘諸兄は、
逸勢の叔父にあたる人物であり、
こうなると私の行基本の内容が
整合性があるか否かによって、
周辺の解釈が大きく変わります。
これから空海の研究をする方は、
『行基菩薩とヘレニズムの復興』に
目を通した上で話をしないと、
どう判断するかは自由としても、
大きく取り溢しが出る可能性が
非常に高い物となり得ます。
私の一連の著作は今後の研究の
新たなアウトラインの提示であり、
膨大な本が書かれた空海研究に、
新たな地平を持ち込む可能性を
十分に秘めているものです。
橘諸兄は朝廷に仕えた人物と
記述が残されてはいますが、
ここに疑問がある事についても
行基の本に書いてあります。
これに妥当性があるとすれば、
今毛人が朝廷に仕えた話も
捏造の可能性が高くなり、
抹消しきれず取り込んだと
見る事も可能となるでしょう。
となると空海も先住民族側の
人物である線が濃くなり、
朝廷側とは別の経緯により、
唐に渡った事になりそうです。