産業革命発祥の地と観光と地域経済

イギリスのコーンウォール地方は神話と伝説に彩られ、
様々な観光スポットが存在している事でも有名です。

干潮時に海底から石畳で舗装された道が出現し、
歩いて渡る事ができるセント・マイケルズ・マウントは、
古代からケルトの聖地として多くの巡礼者を集め、
聖ミカエルが降り立ったという伝説があり
「聖ミカエルの山」の名がついています。
フランス語ではモン・サン・ミッシェルで
中世にはモンサンミッシェルの修道士が
ここを所有していたそうです。

アーサー王伝説の舞台にもなった場所で、
ストーンサークルや立石など、古代の巨石文化の跡が残り、
日本の古墳のようなマウンドも存在しています。

コーンウォールはアーサー王伝説の舞台ですが、
アーサーは熊の意味で、北極星を小熊座、
その周りを回る北斗七星は大熊座に対応するので、
天の中心と王を関係させる古代中国の
孔子と同じ思想があったのでしょう。

神話や文化財ベースにした観光地であるコーンウォール地方は
鳥取県程度の大きさと人口を有しているとされます。

イギリスに本社があるNew Economics Foundationは、
貧しい地域に支援をしても十年後も貧しいままだったので、
穴の開いたバケツに例えて「漏れバケツ理論」を提唱し、
地元企業を使って金を循環させずに
地域外の業者にを使って金を垂れ流しすると、
長期的なデメリットが大きいとしました。

地域内相乗効果と言う考え方も提唱し、
コーンウォール地方で計算したところ、
全ての旅行者、住民、ビジネスで
それぞれ1%だけ多く地元に金を使うと
地元で使われるお金が5,200万ポンド
(2020年6月のレートで約70億円)
増える結果となったそうです。

どれだけ観光で外部から金が入ってきても、
地域内で金が循環しなければ豊かにはなりません。
日本でも漏れバケツ理論が導入され、
どこに財政上も穴が開いているかを調べ
地方財政を立て直す動きがあるようです。

漏れバケツ理論

産業革命を起こし植民地化を拡大したイギリスから、
現代文明の歪みに対する様々な動きが出ているのは
非常に興味深いところです。

西イングランドのデボン州にある
トットネスとよばれる人口8000人の小さな街は、
トランジションタウン発祥の地として知られています。

現代文明は石油に大きく依存し、
食料生産にも大量のエネルギーを使っています。
化石燃料を大幅に減らすライフスタイルに
楽しく移行(transition)しようと、
地域通貨の発行、地産地消を初め、
多岐にわたる草の根的な活動がなされています。

トランジション・ムーブメント発祥の地:イギリス、トットネス

Local Economic Blueprint

日本でも神奈川県藤野町や熊本県南阿蘇村などで
トランジションタウンの導入があるそうですが、
日本にもそれ以前から優れた社会システムがあり、
日本では、明治に入り廃藩置県が行われるまでは、
藩札(はんさつ)と呼ばれる地域通貨が流通していました。

西洋の植民地になりかねない世界情勢下では
中央集権化するメリットは大きかったのでしょうが、
現状でのメリット・デメリットを考えると、
地方が穴の開いたバケツとなり痩せ細っているので、
見直しを入れる必要がありそうです。

三遠の地には古代日本の聖地が多くありますが、
理念のみでなく経済面での運用も考えなければ
そこで落ちた金も無意味に垂れ流しされ、
関係者の人格を疑われかねません。

世界的に見て地域の自立を真剣に考えているところは
教育や人の育成に力を入れています。
日本の経済学は世界的に遅れていると言われますが、
渋沢栄一など、日本経済を世界に通用させた人物が
日本を世界に飛躍させていったのは、
江戸の教育が優れていたからでもあります。

三遠の地での古代の聖地を扱う地域振興では、
イギリス主導で行われた支配・搾取の経済ではなく、
アジアで王道とされた経世済民を見直し、
今後の時代に必要とされるモデルケースを
提示していく流れを出していく事こそ、
時代的に求められている事なのでしょう。

ストップ!漏れバケツ ~島の経済を見える化しよう~

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