プラトンと錬金術

アレクサンドリアの大図書館では大量の文献が集積され、
高度な学術研究がなされていましたが、
後に新プラトン主義(ネオ・プラトニズム)と呼ばれる
アンモニオス・サッカス (A.D.175頃 – A.D.242) を始祖とする
新たな流れが出てきました。

大成者とされるプロチノス (A.D.205 – A.D.270) は
万物は一者からあらゆる実在が階層的に流出し、
人間も感覚的なものを脱して一者に向い
直接的合一(脱我)の境に達する事を求めるべきと、
プラトンのイデア論を突き詰めつつ、
アリストテレスの理論も取り込んで
新たな流れを作りました。
分かりにくい理論ですが、タオイズムに似ていますね。

錬金術などの研究も盛んになりますが、
錬金術は金を錬成するのではなく、
魂を黄金に錬成するための術とされ、
不老不死の探求に連なっています。

古今東西の支配者の多くは不老不死を求めます。
死んだら無になるのを恐れるか、
栄華を維持しようとするか、
生前の罪を裁かれたくなく生に執着するか、
様々な動機があるのでしょうが、
プラトンの弟子を家庭教師とした
かのアレクサンダー大王は、
不老不死を求めたのでしょうか。

ソクラテスは学問で魂を浄化する事で
死後に神々の世界に行けるとしているので、
死そのものを恐れる事はなかったでしょうが、
神々に通じる叡智を求めた事は間違いないでしょう。

新プラトン主義はプラトンのイデア論を発展させたもので、
イデア論自体に不老不死の概念はありませんが、
イデア論と錬金術は相通じる部分があるのか、
錬金術の源は古代ギリシャや古代エジプトに求められるとされ、
マクロコスモス(天)とミクロコスモス(地)が対応するという
錬金術的な世界観はコスモポリタニズムにも通じます。

『東三河の徐福伝承』には、
不老不死を求める秦の始皇帝と、
不老不死の薬をもらってくると始皇帝を欺き
東三河に渡来した徐福の研究をしていますが、
後半部分にアレクサンダー大王を起点とした
これらの不老不死に纏わる一連の流れを
記述しておきました。

商業出版で全国流通できれば
かなりのプロモーションになるので、
三遠式銅鐸の本を出した後に
この周辺もブログで書こうと思っているのですが、
コロナの影響で出版社との話も先送りになり、
現状、計画が不透明な状況です。

余りにも時間がかかりすぎると
花祭の継承も後がない状況のようなので、
出版関係に詳しい方がいらっしゃれば
アドバイスを頂けると助かります。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする