月神の抹殺

日本には月にウサギがいるとする文化がありますが、
月の影をヒキガエルと見る文化も存在しています。

月に兎がいるとする信仰は世界各地で見られますが、
現在、月にカエルがいるとする信仰は、
アメリカ原住民と中国にのみ見受けられるそうです。

中国のこの信仰は比較的新しいものとされますが、
中国発の概念なのか他から入ってきたのか、
源流はどこにあるのでしょうか。

世界最古の一神教とされるゾロアスター教は
カエルを目の敵にして殺害しますが、
信仰体系の中に入っていない月神への呪いとして
カエルを殺す呪術が行われたのでしょうか。

中国でゾロアスター教が認められたのは
即天武后の時代であったと記事にしましたが、
この時期に中国に月のヒキガエルの信仰が
持ち込まれたのかも知れません。

古代中国では月神は美しい姿で表現されますが、
綺麗な兎から醜いヒキガエルにされらのは
月神を落とし込める目的があったのか、
武即天の周辺に日本では壬申の乱があり、
古事記・日本書紀が編纂された事は既に書きました。

古事記・日本書紀の月神の記述は少なく、
良い表現がなされてはいませんが、
一神教の影響によるものなのでしょうか。

日本には月を愛でる文化があり、
奥三河には古代月神信仰の痕跡もあります。

江戸にイギリス人が来たときに
日本に男女差別がないのに驚いたそうで、
女は三歩下がってというのは差別でなく、
俺に何かあってもお前は生き延びろと言う
女性を思いやる男らしさだったそうです。

ギリシャを初めとして女性差別が多く、
妻に泣かされる男の悲鳴が散見されますが、
太陽神のみ信仰して月神を差別するのは
夫婦間にも良い影響を及ぼさないのでしょう。

錬金術では太陽と月の結婚が重視され、
人間の精神的な成長に必要とされるようです。

消された月神をもう一度復権させる事で
得られるものは多いのではないでしょうか。

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コメント

  1. みずっちゃん より:

    日光月光菩薩像とか、鳥獣戯画のウサギとカエルの相撲の絵などを見てきたので、にわかに信じがたいのですが、日本にも一神教の影響があったのですね。たしかに神社の鳥居の真上に太陽が昇っていくのを見ると、納得できるような気がします。
    今日は満月で‥日本も海外もいろいろなことでバタバタしているところを見ると、満月はトラブルも引き寄せている?ような?一神教だけにシャープな鋭さを感じます。

    • Katsuyoshi より:

      西洋ではルナティックは良い意味で使っていませんね。
      太陽神のみ重視する文明と、昼も夜も価値があるとする文明とでは、月の影響も違いそうです。
      月読命の記述が殆ど無くて良い事も書かれていない日本神話なので、月を愛でる文化は古事記が作られる以前から存在していたと思います。
      スピリチュアル界隈では女性重視の話が多いですが、主導権が男から女に移るだけでは根は同じなので、古代の太陽と月の結婚こそ、必要なものだと感じています。