そろそろ2020年も終盤にさしかかり、
クリスマスの曲も耳にし始めました。
私のように寂しい冬をおくる人は、
今年のクリスマスはコロナで中止と
虚勢を張っているところでしょう。
サンタがいない事を子供に教える事について
大人が議論したりする事がありますが、
定義の不明瞭な議論は不毛になりかねないと
ミューズの神託にあるようなので、
検討してみる事にしましょう。
サンタが靴下にプレゼントを入れるのは、
キリスト教の聖人が貧弱を身売りから救うため
靴下に金貨を入れた事が始まりのようです。
この精神を伝えるためのイベントなら、
子供に厳しい現実を伝えるスタンスではなく、
教訓としての価値を伝えた方が良いですね。
クリスマスの原型はミトラス教にあるとされます。
1世紀後半から4日世紀半ばまでのローマ帝政期に
広い信仰されたミトラス教の最大の祭である
冬至の後で太陽の復活を祝う12月25日の祭が、
キリスト教のクリスマスの原型とされています。
ミトラス教が入る以前のローマでは、
サートゥルナーリア祭という盛大な祭が
行われていたとされています。
紀元前217年ごろ、第二次ポエニ戦争での惨敗の後、
市民の士気を高めるために催されたのが始まりで、
12月17日の1日だけの祭が延長されるようになり、
12月23日まで続くようになったようです。
クリスマスツリーの起源に関しては、
サートゥルナーリアの神殿を
もみの木で飾った事のあるとする説があり、
神殿の前の長椅子に供物が捧げられ、
小さなプレゼントを贈りあったと言います。
土星神であるサトゥルヌスは
ローマ神話の農耕神または時の神であり、
ギリシャ神話のクロノスと同一視されています。
クロノスは予言を恐れて神々を飲み込み、
ゼウスらと大戦争を起こし幽閉されると言う
神話の中で悪者として語られる神ですが、
戦いに負けた側の神を悪魔扱いする事は、
広範囲に見られる話ですね。
ミトラスに見られる太陽神の死と復活や
ギリシャ神話のヒエラルキー戦は、
天の岩戸開き神話に通じています。
既存の説ではミトラス教がローマ時代に
キリスト教と関わりを持ったとされていますが、
私の研究ではアケメネス朝ペルシャによる
バビロニア捕囚から解放されたユダヤ人が
ゾロアスター教で信仰されるミトラ神の影響も
あったのではないかと睨んでいます。
宗教的な対立のために争いになるのではなく
うまく共存するのが日本の優れたところなのか、
何でもカップルのイベントにする節操のなさか、
商魂の逞しさかは何とも言えませんね。
負け犬の遠吠えよろしく色々と書きましたが、
クリスマス自体は良いイベントですね。
太陽の復活を祝うイベントなので、
霜月神楽である花祭にも通じます。
自然の流れと調和し節目を良いものにし、
一年を健全たらしめる祭の意義は
日本古来のものも含めて見失われています。
たまには別の角度からイベントを見直しても
新鮮な気分を味わえるのではないでしょうか。
良いクリスマスをお過ごし下さい。