大乗仏教による阿修羅のイメージは
素晴らしき神とはされてはいませんが、
『リグ・ヴェーダ』には全く違った
阿修羅像が記されています。
アスラは本来の創造神、最初の出産者で、
一切の形態を持ち両性を備える牡牛とされます。
立ち現わるる彼を、彼らすベては取り囲めり。
みずから輝く彼は、美を身に装いて進む。
こは牡牛・アスラの偉大なる名称なり。
ヴイシュヴァ・ルーパ(一切の形態を具える者)として、
彼は不死の上に立てり。
年たけたる牡牛(アスラ)は最初に産めり。
これら彼の獲物は多し。
天の双児よ、配分の考慮により、
汝らは、両王よ、遙かなる日より支配を行なう。
神々のヒエラルキー戦の神話は
ギリシャ神話のティタノマキアや
古事記の国譲り神話などが存在しますが、
オリュンポスの神々が戦った
ティターン神族による統治の時代は
黄金時代とされています。
日本では艮の金神が最悪の祟り神とされ、
九鬼文書に見られる皇位継承に関わる
国家最重要の神とは真逆にされていますが、
伊勢外宮の神もアスラなのでしょうか。
日本仏教は大乗仏教とされており、
アショーカ王の仏教である
説一切有部を否定した仏教ですが、
徐福王朝はアショーカ王系ですね。
釈迦の原始仏教から大きく変貌した
大乗仏教が日本に入ってきたのなら、
阿修羅に見られるヒエラルキー変化も
日本の信仰に影響を及ぼしていそうです。
阿弥陀如来がミトラに由来する説は
既に発表されていますが、
信じるだけで救われる阿弥陀仏信仰は、
ゾロアスター教やキリスト教の影響が
色濃く見受けられますね。
ミトラはアケメネス朝ペルシャで
ゾロアスター教に取り込まれた後、
ユダヤ教でメタトロンとされたそうですが、
スピリチュアル界隈で頻出するミカエルも、
ミトラとの関係を調べてみる事により
面白い事が分かるかも知れませんよ。
牡牛を屠るミトラの象は有名ですが、
太陽神ミトラも二系統に分かれているので、
どちら側なのかを明確化する必要があります。
陰陽道で最悪の祟り神とされる艮の金神は
卑弥呼の用いた鬼道とも関わりますが、
阿修羅が創造神で牡牛とされているのは、
角を生やした鬼門の神と関係するのでしょうか。
菅原道真が人なのに天神とされ、
牛の像が祀られるのは何故でしょう。
志多羅神事件も天神が関わりますが、
現在の道真信仰となる以前の
段階のものであったようです。
この国には既存の説では説明できない
不可解なものが数多く残されています。
鬼神の信仰は邪馬台国に限定されず、
古代世界においては広域に存在し、
一神教により滅亡に追い込まれ
悪魔とされたものだったのあれば、
古代日本の謎の解明は日本一国ではなく、
世界的な深層の開示をもたらすのでしょう。