お水取りと修験道

東大寺二月堂の本尊は十一面観音とされ、
ここの年中行事とされる「お水取り」は、
十一面観音に罪障の懺悔をする
十一面悔過法要とされているようです。

東大寺お水取り

笠置寺の記事を書いた時にお水取りも
触れた事があるのですが、
笠置寺に正月堂が存在しているのに
東大寺には二月堂からしか無く、
色々と研究の余地のある部分です。

役小角と同期である修験者の泰澄は、
幼少より十一面観音を念じて修行し、
十一面観音を本地とする妙理権現を感得、
白山を開基したと伝承されるので、
十一面観音は壬申の乱以前の祭祀に
密接に関わる仏となりそうです。

南朝も十一面観音を重視しますが、
後醍醐天皇は東大寺にも関わります。

これらから推察するに修二会は
二重構造の可能性が浮上しますが、
詳細は行基の本に書いておきました。

笠置寺が古代祭祀の霊場であり、
ここがお水取りのルーツであれば、
笠置の行基伝承が抹消された事は、
東大寺の根幹の謎に関わりそうです。

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