ギリシャ神話に登場するクロノスは、
オリュンポスの神々を飲み込み、
ゼウスに戦いを挑まれ負けますが、
この神話が一筋縄では解けない事は、
『岩戸開きとギリシャミステリー』に
詳細にわたり記述しておきました。
クロノスはローマ神話のサトゥルヌスと
同一の神と見られる事が多いですが、
サトゥルヌスの持ち物は大鎌とされ、
農耕神から時を刈り取る意味に派生し、
命を刈り取る時の神ともされます。
タロットカードの13番も死神のカードが
非常に類似した要素を持っていますが、
13は西洋では不吉な数とされるものの、
他の文化では良い数とされていますね。
ギリシャ神話の農耕神は他にも存在し、
デメテル女神が岩戸開きに関わりますが、
この神は死と復活に関わる存在であり、
タロットの死神も自我の死と関わります。
ここはユング心理学における
原型論と関わって来ますが、
フロイトとユングの関係や、
アリストテレスとプラトン、
大乗仏教と小乗仏教など、
広域に関連性が見られます。
一切が空とする大乗仏教は、
名前を付けただけで実在がない
アリストテレスの哲学との
関係性が存在しそうですね。
それとは別に古代の密儀には、
原型論が密接に関係しています。
大乗仏教と小乗仏教との関係は
一神教と多神教の関係にも通じ、
行基の時代的に日本国内でも
これらの二系統が混雑した事は、
行基の本に書いておきました。
農耕神が農業を越えた存在なのが
古代神話の凄い所ではありますが、
農業の見直しも明治維新以降だと
西洋の思想が無意識のベースに
存在したものと成りかねません。
巨大な文明潮流から見直すと、
農業の在り方は全く違った物に
扱われていた可能性が浮上します。
農耕の技術に関しては色々出ており、
ベースとなる思想からの見直しは、
私のようなアウトローの人間が
扱わないと進みにくそうですね。