神農本草経

『神農本草経』には365種類の生薬が記され、
植物薬252種、動物薬67種、鉱物薬46種と、
膨大な研究データが蓄積されています。

宗教臭いものとして忌避されかねない
典と名付けられてはいるのですが、
仏教と共に輸入された経典の中には、
説教以外のものも多いですね。

生薬は効果の大小により三分類がなされ、
上品(じょうほん)・中品(ちゅうほん)・
下品(げほん)に分けられるものの、
漢方ではその上に秘薬があります。

上品は毒性がなく長期服用が可能で、
穏やかに作用して体質を改善します。

中品は副作用があり注意が必要ですが、
新陳代謝の活性化や精を養うもので、
大量に摂取しなければ問題はありません。

下品は効き目が強く毒性があり、
長期服用は危険で副作用の懸念があり、
使用上の注意が必要とされます。

現代医学は下品ばかりが提示されますが、
本来はそれより上に力を入れる事で、
より健康にしていく事が重要ですが、
政治や経営にも言えそうですね。

下品の方が儲かるのが問題ですが、
人の不幸に漬け込むビジネスは、
業が深くて後が怖そうですね。

具体的にそれぞれの内訳見てみましょう。

上品
ガマ・オケラ・ハトムギ・オオバコ・
カンゾウ・アイ・ハマゴウ・フジバカマ・
マツ・ゴマ・ニッケイ・ハス・ミシマサイコ・
モッコウ・ノコギリソウ・ジャノヒゲ・
モクレン・オニノヤガラ・エンジュ・
ジオウ・クコ・ミカン・キク・ニンジンなど

中薬
クズ・ノウゼンカズラ・ホオズキ・コガネバナ・
シオン・ムラサキ・シャクヤク・ダイダイ・
マオウ・アケビ・センキュウ・ゴミシ・ウメ・
トウキ・サンシュユ・クララ・クワ・
クチナシ・キハダ・アミガサユリなど

下品
ヒヨス・レンギョウ・トリカブト・トウダイグサ・
シラン・カラスビシャク・ヤマゴボウ・モモ・
ケイトウ・ヒオウギ・ウツボグサ・キササゲなど

トリカブトが治療に使われる事は
結構知られてはいる所ですが、
オオバコが上品なのは最近知って、
雑草なのに食えるじゃん程度で
食べていたのは正解だった様です。

マツも上品の中に見えますが、
非常時には食料となる事から
江戸では城に松を植えたそうで、
一説には山林修行者も松を食べ、
効果をあげていたそうです。

食料危機になった時にも、
松が食せる事を知っていると
助かる人が出そうですね。

江戸時代は本草学が盛んでしたが
歴史はかなり古いものであり、
珍妙な神話を持つ神の経典が
優れた内容なのは面白い所です。

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